8. 自分で申請する?行政書士に依頼する?②
風俗営業許可の申請は自分で行うこともできますが、物件調査、店舗の測量、図面作成、必要書類の収集、申請書類の作成、警察署との調整など、開業前に行う作業は多岐にわたります。行政書士に依頼することで、これらの手続きを専門家に任せ、店舗の準備やスタッフの採用など、本来の開業準備に時間を使いやすくなります。ここでは、風俗営業許可を行政書士へ依頼する具体的なメリットを解説します。
8-2. 行政書士に依頼するメリット
風俗営業許可を取得する際、行政書士に依頼する大きなメリットは、許可申請に必要な専門的な作業をまとめて任せられることです。
風俗営業許可では、単に申請書へ必要事項を記入するだけではありません。営業形態の確認から物件調査、店舗の構造・設備の確認、図面作成、必要書類の収集、警察署への申請、補正対応など、さまざまな作業があります。
特に初めて店舗を開業する方にとっては、「何をどこまで準備すればよいのか」が分かりにくい部分もあります。
行政書士へ依頼することで、こうした手続きを専門的な知識に基づいて進めやすくなります。
① 物件が許可を取得できるか確認できる
行政書士へ依頼する場合、まず重要になるのが物件調査です。
風俗営業では、店舗の所在地によって営業できるかどうかが変わります。用途地域や営業可能地域、保全対象施設との距離、建物の用途、店舗の構造などを確認する必要があります。
せっかく気に入ったテナントを契約しても、後から風俗営業許可を取得できないことが分かれば、開業計画そのものを見直さなければなりません。
そのため、
物件を契約する前に許可の可能性を確認する
ことが非常に重要です。
行政書士へ相談することで、契約前の段階から営業形態と物件の適合性を確認することができます。
② 複雑な店舗図面を作成してもらえる
風俗営業許可で大きな負担になりやすいのが、店舗の平面図などの作成です。
愛知県警察の風俗営業許可申請でも、営業所の平面図や周囲の略図などの提出が必要とされています。(愛知県警察)
店舗の図面では、単に部屋の形を書くだけではなく、営業所の構造や客室、出入口、設備などを実際の店舗状況に合わせて整理する必要があります。
行政書士へ依頼する場合、この店舗の測量や図面作成を含めて対応してもらえるケースがあります。
特に、複数の客室がある店舗や、間仕切り・カウンターなどが複雑な店舗では、図面作成の負担を大きく減らせます。
③ 必要書類をまとめて準備できる
風俗営業許可では、申請者本人に関する書類だけでなく、営業所や法人、管理者などについても書類が必要になります。
例えば、
- 住民票の写し
- 身分証明書
- 誓約書
- 営業所の使用権原を証明する書類
- 営業所の平面図
- 周囲の略図
- 法人の定款
- 登記事項証明書
- 役員関係の書類
- 管理者関係の書類
などがあります。
愛知県警察では、営業形態や申請者が個人・法人のどちらであるかなどによって必要書類が異なるため、事前に確認する必要があります。(愛知県警察)
行政書士へ依頼することで、必要書類の一覧を整理し、取得漏れや提出漏れを防ぎやすくなるというメリットがあります。
④ 警察署とのやり取りを任せられる
風俗営業許可では、申請書類を提出して終わりではありません。
申請後には警察による審査や営業所の実地調査が行われ、書類の補正や追加資料の提出などが必要になる場合があります。
行政書士へ依頼することで、こうした警察署との事前相談や申請、補正対応などをサポートしてもらえる場合があります。
自分で申請する場合は、警察から指摘を受けた内容を自分で理解し、図面や書類を修正しなければなりません。
専門家へ依頼することで、開業者自身が手続きに費やす時間を減らしやすくなります。
⑤ 開業スケジュールを立てやすい
風俗営業許可は、物件契約、内装工事、申請、実地調査、許可証の交付など、複数の工程を経て営業開始に至ります。
愛知県警察では、一定の条件を満たした風俗営業許可申請について、申請から55日を処理期間の目安としています。ただし、これはすべてのケースで55日以内に許可が出ることを保証するものではありません。(愛知県警察)
そのため、
開業予定日
↓
許可申請
↓
実地調査
↓
許可証交付
↓
営業開始
という流れを逆算して準備する必要があります。
行政書士へ依頼することで、申請に必要な準備期間や書類の確認をしながら、開業スケジュールを組み立てやすくなります。
行政書士に依頼するメリットを比較
自分で申請する場合と行政書士へ依頼する場合を比較すると、次のようになります。
| 項目 | 自分で申請 | 行政書士へ依頼 |
| 必要書類の確認 | 自分で行う | 専門家に確認してもらえる |
| 物件調査 | 自分で調査 | サポートを受けられる |
| 店舗測量 | 自分で対応 | 依頼内容により対応可能 |
| 図面作成 | 自分で作成 | 作成を依頼できる |
| 申請書作成 | 自分で作成 | 作成を依頼できる |
| 警察署との調整 | 自分で対応 | サポートを受けられる |
| 補正対応 | 自分で対応 | サポートを受けられる |
| 専門家報酬 | 不要 | 必要 |
| 自分の作業時間 | 多くなりやすい | 減らしやすい |
ただし、行政書士へ依頼すれば必ず許可が取得できるという意味ではありません。
最終的な許可の判断は、法令や条例に基づいて警察が行います。行政書士の役割は、申請者に代わって、または申請者をサポートして、必要な調査・書類作成・申請手続きを適切に進めることです。
特に行政書士への依頼を検討したいケース
次のような場合は、行政書士への依頼を検討するとよいでしょう。
- 初めて風俗営業許可を申請する
- 店舗の構造が複雑
- 図面作成に不安がある
- 法人で開業する
- 複数の役員・管理者がいる
- 開業予定日が決まっている
- 物件契約前に許可の可能性を確認したい
- 本業や店舗準備が忙しく、申請に時間をかけられない
- 警察署とのやり取りに不安がある
特に、「物件を契約してから許可について考える」のではなく、物件選びの段階から行政書士へ相談することで、開業後の計画変更を避けやすくなります。
POINT
行政書士へ依頼するメリットは、単に「申請書を書いてもらえる」ことだけではありません。
物件調査 → 店舗測量 → 図面作成 → 必要書類の準備 → 警察署への申請 → 補正対応
という一連の手続きをサポートしてもらえることが大きなメリットです。
一方で、行政書士への報酬が発生するため、自分で申請する場合の時間・手間と、専門家へ依頼する費用のバランスを考えて判断することが大切です。
風俗営業許可は、店舗の営業形態や物件、構造・設備などを総合的に確認する必要があります。自分で申請する方法もありますが、初めて開業する場合や、開業スケジュールに余裕がない場合には、早い段階から行政書士へ相談することで、準備すべき事項を整理しやすくなります。
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