7. 深夜営業をする場合に注意したいポイン③

「スナックを開業するなら風俗営業許可が必要?」「バーなら深夜酒類提供飲食店営業の届出だけでいい?」と迷う方は少なくありません。両者は、どちらも飲食店に関係する制度ですが、営業内容や接待の有無、営業時間、手続きの種類などが異なります。名古屋で店舗を開業する場合は、店名や業態だけで判断せず、実際にどのような営業を行うのかを基準に必要な手続きを確認することが大切です。

7-3. 風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店営業の違い

風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店営業は、どちらも風営適正化法に関係する制度ですが、最も大きな違いは、「許可」が必要なのか、「届出」で足りるのかという点です。

愛知県警察では、風俗営業を「許可制」、深夜における酒類提供飲食店営業を「届出制」として、それぞれ別の手続きを定めています。(愛知県警察)

風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店営業の比較

まず、両者の違いを簡単に整理すると次のようになります。

比較項目風俗営業許可深夜酒類提供飲食店営業
手続き許可申請営業開始届出
主な対象接待を伴う飲食店など深夜に酒類を提供する飲食店
接待風俗営業に該当する接待を行う場合がある原則として接待を伴わない営業
深夜営業営業時間の規制を受ける深夜営業を前提とした制度
営業開始許可を受けてから営業届出後、法定の開始時期に沿って営業
届出・申請先営業所を管轄する警察署営業所を管轄する警察署
手続きの期限許可を受ける必要があるため、早めの申請が必要営業開始日の10日前までに届出
地域制限風俗営業の営業可能地域・保全対象施設等を確認第一種地域では深夜営業ができない
店舗の構造営業の種類ごとの構造・設備基準を満たす必要がある営業所の平面図等を添付して届出

深夜酒類提供飲食店営業について、愛知県警察は営業開始日の10日前までの届出を案内しており、第一種地域では深夜に営業できないとしています。(愛知県警察)

「接待をするかどうか」が重要な判断ポイント

両者を区別するうえで、特に重要なのが接待の有無です。

例えば、従業員が客のそばについて継続的に談笑したり、お酌をしたりするなど、風営適正化法上の「接待」に該当する営業を行う場合、夜酒類提供飲食店営業の届出で営業でません。

一方、従業員が客に対して接待を行わず、深夜に酒類を提供するバーなどについては、一定の要件を満たせば、深夜酒類提供飲食店営業の届出の対象となります。

したがって、

「スナックだから風俗営業」
「バーだから深夜酒類提供」

と、店舗の名称だけで判断することはできません。

実際の接客方法や酒類の提供方法などを確認して、どの制度に該当するのかを判断する必要があります。

営業時間にも大きな違いがある

営業時間についても注意が必要です。

風俗営業には、愛知県の条例による営業時間の制限があります。接待飲食等営業については、原則として午前0時前までしか営業できない規定があります。一方、条例で定められた一定の地域等では午前1時まで営業できる特例があります。(愛知県条例)

そのため、「風俗営業許可を取得すれば深夜2時、3時まで営業できる」というわけではありません。

深夜まで営業したい場合は、最初から営業形態と希望営業時間をセットで検討する必要があります。

深夜酒類提供飲食店営業は「深夜営業の届出」

深夜酒類提供飲食店営業は、深夜に酒類を提供する飲食店について設けられている届出制度です。

愛知県では、営業を開始しようとする日の10日前までに、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課へ営業開始届出書を提出します。

また、営業の方法を記載した書面や営業所の平面図、住民票の写しなどの添付書類も必要です。法人の場合には、定款や登記事項証明書などの追加書類も求められます。(愛知県警察)

つまり、深夜酒類提供飲食店営業も「簡単な届出だけ」というわけではありません。

物件の選び方にも違いがある

物件を探す段階でも、両者の違いを理解しておくことが重要です。

風俗営業の場合は、営業する地域や保全対象施設との関係、店舗の構造・設備などを確認する必要があります。

一方、深夜酒類提供飲食店営業についても、第一種地域では深夜営業が禁止されているため、物件の用途地域を確認しなければなりません。(愛知県警察)

したがって、どちらの営業形態であっても、

物件を契約する
↓
後から警察に相談する

という順番ではなく、

営業形態を決める
↓
営業可能な地域か確認する
↓
物件を調査する
↓
必要な許可・届出を確認する
↓
契約・内装工事を進める

という流れが重要です。

風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店営業を混同しない

特に注意したいのが、「深夜酒類提供飲食店営業の届出を出せば、風俗営業として深夜まで営業できる」という誤解です。

また、風俗営業と深夜酒類提供飲食店営業を同一店舗でおこなうことは愛知県ではほぼ不可能です。

両者は別の制度であり、営業内容によって適用されるルールも異なります。

さらに、深夜に客に遊興をさせ、酒類を提供する営業については、特定遊興飲食店営業という別の許可制度が関係する場合があります。

POINT

風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店営業は、名前が似ていても別の制度です。

判断するときは、
①接待をするか
②客に遊興をさせるか
③深夜に酒類を提供するか
④何時まで営業するか
⑤どこで営業するか

を一つずつ確認することが重要です。

名古屋で開業するなら物件契約前の確認が重要

名古屋でスナック、ラウンジ、バーなどを開業する場合、最初に「店名」や「業種」だけを決めるのではなく、実際に予定している営業方法を具体的に整理することが大切です。

特に、

  • 深夜0時以降も営業したい
  • お酒をメインに提供したい
  • カウンター越しに接客したい
  • 従業員が客の席について接客する予定がある
  • 音楽やイベントなどで客を楽しませたい

といった営業内容によって、必要な手続きが変わる可能性があります。

そのため、物件を契約する前に、営業形態・営業時間・接客方法・用途地域などをまとめて確認することをおすすめします。

「この物件なら家賃も安いし開業できそう」と先に契約してしまうと、後から希望する営業形態ができないことが判明する可能性があります。

風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店営業の違いを理解し、自分が予定している営業にどの手続きが必要なのかを開業前に確認することが、スムーズな店舗開業につながります。

名古屋・愛知で風俗営業許可をご検討の方へ

「この物件で風俗営業許可は取れる?」

「スナックやラウンジを開業したいけれど、どの許可が必要?」

「警察への申請や店舗図面の作成が難しい」

このようなお悩みは、店舗を契約する前にご相談ください。

風俗営業許可は、物件を契約した後では対応が難しくなるケースがあります。

名古屋市・愛知県での風俗営業許可について、営業形態・物件・店舗設備・必要書類などを確認し、許可取得までの手続きをサポートします。

まずはお気軽にご相談ください。

神崎行政書士事務所 052-7173710

愛知県の各地域(名古屋市、一宮市、春日井市、小牧市、豊田市、刈谷市、安城市、岡崎市、豊橋市など)の風俗営業許可(風営法許可申請)に対応しています。

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