7. 深夜営業をする場合に注意したいポイント①
キャバクラやスナック、ラウンジなどを経営する場合、「できれば深夜0時以降も営業したい」と考える方は少なくありません。しかし、風俗営業には営業時間の制限があり、単純に営業時間を延長できるわけではありません。また、接待を行う営業と、接待を行わず深夜に酒類を提供する営業では、必要となる許可・届出も異なります。名古屋で深夜営業を検討する場合は、営業形態と営業時間をセットで確認することが重要です
7-1. 深夜0時以降に営業する場合のルール
風俗営業を始める際に特に注意したいのが、深夜0時以降の営業です。
「風俗営業許可を取得しているから、深夜もそのまま営業できる」と考えてしまうケースがありますが、風俗営業には営業時間の制限があります。
愛知県の条例では、風俗営業について原則として午前6時から午前9時まで営業できない時間帯が定められているほか、営業の種類によって午後11時以降や午前0時以降の営業時間にも制限があります。また、一定の地域では午前1時まで営業できる特例が設けられています。(愛知県警察)
そのため、深夜営業を希望する場合には、まず「どのような営業をするのか」を明確にする必要があります。
「接待をする営業」と「深夜に酒類を提供する営業」は別
例えば、キャバクラやスナックなどで、従業員が客のそばについて談笑したり、お酌をしたりするなどの接待を伴う営業を行う場合、風俗営業に該当する可能性があります。
一方、接待を行わず、深夜0時以降に酒類を提供する飲食店については、一定の要件を満たす場合、「深夜における酒類提供飲食店営業」として営業開始届出が必要になります。
愛知県警察では、深夜0時以降に酒類を提供する営業(通常主食と認められる食事を提供する営業を除く)について、この営業開始届出の制度を設けています。届出は営業を開始しようとする日の10日前までに、営業所を管轄する警察署へ提出する必要があります。(愛知県警察)
つまり、深夜営業を検討するときは、次のように整理すると分かりやすくなります。
| 営業形態 | 深夜営業の考え方 |
| 接待を伴うキャバクラ・スナック等 | 風俗営業の営業時間規制を確認する |
| 接待を伴わず、深夜に酒類を提供する飲食店 | 「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が必要になる場合がある |
| 深夜に客を遊興させ、酒類を提供する営業 | 「特定遊興飲食店営業」に該当する可能性がある |
| 通常主食と認められる食事を提供する飲食店 | 深夜酒類提供飲食店営業の対象から除かれる場合がある |
愛知県警察も、「特定遊興飲食店営業」と「深夜における酒類提供飲食店営業」を別の営業として整理しています。特定遊興飲食店営業は、ナイトクラブなど、深夜に客に遊興をさせ、かつ酒類を提供する営業が対象です。(愛知県警察)
「0時以降も営業したい」だけでは判断できない
深夜営業の相談では、
「スナックだから深夜酒類提供飲食店営業の届出をすればいい」
と考えてしまうことがあります。
しかし、実際には「接待をするのか」「客に遊興をさせるのか」「酒類を提供するのか」「何時まで営業するのか」によって、適用される制度が変わります。
特に、風俗営業として許可を受けている店舗が、許可された営業時間を超えて営業する場合には注意が必要です。
「深夜酒類提供飲食店営業の届出を追加すれば、風俗営業の営業時間制限を自由に超えられる」という単純な仕組みではありません。
そのため、開業前に予定している営業時間だけでなく、実際の接客方法や酒類の提供方法まで含めて営業形態を確認することが重要です。
深夜営業をするなら「物件」の確認も必要
さらに注意したいのが、深夜酒類提供飲食店営業には営業できない地域があることです。
愛知県警察によると、第一種地域に該当する地域では、深夜における酒類提供飲食店営業を行うことができません。対象となる地域には、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、田園住居地域などがあります。(愛知県警察)
したがって、名古屋で深夜営業を前提に店舗を探す場合は、「家賃が安い」「駅から近い」といった条件だけで物件を決めないことが重要です。
POINT
深夜0時以降の営業を考える場合は、
①営業内容 → ②接待・遊興の有無 → ③必要な許可・届出 → ④営業時間 → ⑤営業できる地域
の順番で確認しましょう。
特に、深夜営業をしたいからといって、既に取得している風俗営業許可の営業時間を自由に延長できるわけではありません。
開業前に確認しておきたいこと
深夜営業を予定している場合は、少なくとも次の項目を事前に確認しておきましょう。
- □ 深夜0時以降も営業する予定がある
- □ 接待を行う営業なのかを確認した
- □ 客に遊興をさせる営業なのかを確認した
- □ 酒類の提供方法を確認した
- □ 必要な許可・届出を確認した
- □ 営業予定地域で深夜営業が可能か確認した
- □ 希望する営業時間が営業形態に適合している
- □ 物件契約前に警察署等へ確認している
深夜営業は「営業時間」だけの問題ではなく、営業形態・地域・許可や届出を一体として考える必要があります。
特に名古屋でスナック、ラウンジ、バーなどを開業する場合は、物件を契約する前に「深夜0時以降に予定している営業が適法にできるか」を確認することが、後から営業形態を変更するリスクを避けるうえで重要です。
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