3. 名古屋・愛知で特に注意したい「物件」の確認①
名古屋・愛知で風俗営業を始める場合、店舗の内装や設備を検討する前に、まず確認したいのが「その物件で風俗営業ができる地域なのか」という点です。物件が気に入ったからといって、先に賃貸借契約を結んでしまうのは危険です。用途地域や愛知県の条例による営業地域の規制を確認しないまま契約すると、後から風俗営業許可を取得できないことが判明する可能性があります。ここでは、名古屋・愛知でテナントを契約する前に確認すべきポイントを解説します。
3-1. テナント契約前に用途地域を確認する
■ なぜテナント契約前に用途地域を確認する必要があるのか?
風俗営業許可では、営業者の要件や店舗の構造だけでなく、営業所の所在地についても規制があります。
そのため、どれだけ理想的な店舗であっても、風俗営業が認められていない地域であれば、原則としてその物件で許可を取得することはできません。
例えば、
- 駅から近い
- 繁華街にある
- 周辺に飲食店が多い
- 前のテナントがスナックだった
- 不動産会社から「飲食店なら大丈夫」と説明された
といった事情だけでは、風俗営業許可を取得できることの根拠にはなりません。
重要なのは、実際に営業する場所が風営法や愛知県の条例上、営業可能な地域に該当するかを確認することです。
POINT
「飲食店が営業できる場所」と「風俗営業ができる場所」は、必ずしも同じではありません。
風俗営業許可を取得する予定なら、テナント契約前に必ず確認しましょう。
■ 「用途地域」とは?
用途地域とは、都市計画法に基づいて、その地域にどのような建物や用途の施設を建てることができるのかを定めたものです。
代表的な用途地域には、次のようなものがあります。
| 用途地域 | 主な特徴 |
| 第一種低層住居専用地域 | 低層住宅を中心とした地域 |
| 第二種低層住居専用地域 | 低層住宅+一定の店舗等 |
| 第一種中高層住居専用地域 | 中高層住宅を中心とした地域 |
| 第二種中高層住居専用地域 | 住宅+一定の店舗・事業所等 |
| 第一種住居地域 | 住宅を中心とし、一定の店舗等が可能 |
| 第二種住居地域 | 住宅+比較的大きな店舗等が可能 |
| 準住居地域 | 道路沿道の利用を想定した地域 |
| 近隣商業地域 | 周辺住民向けの商業地域 |
| 商業地域 | 商業・業務施設が集積する地域 |
| 準工業地域 | 軽工業等と住宅が混在する地域 |
| 工業地域 | 工業を中心とした地域 |
| 工業専用地域 | 工業のための地域 |
ただし、用途地域を確認しただけで「風俗営業ができる」と判断してはいけません。
風俗営業については、風営法に加えて、都道府県の条例による営業地域の規制があります。
したがって、
用途地域の確認
+
風営法・愛知県条例上の営業可能地域の確認
という2段階で調査することが重要です。
■ 「商業地域なら必ず営業できる」は間違い
名古屋で風俗営業許可を検討する際に、特に注意したいのが、
「商業地域だから風俗営業も大丈夫」
という考え方です。
商業地域は一般的に店舗や事業所などが多く存在する地域ですが、商業地域に入っていることだけで風俗営業許可が保証されるわけではありません。
営業する風俗営業の種類や地域区分、周辺の保全対象施設などを確認する必要があります。
例えば、商業地域であっても、近くに学校や保育所、病院などの保全対象施設が存在する場合には、距離制限によって許可に影響する可能性があります。
つまり、物件調査では、
「用途地域は何か?」
だけでなく、
「その用途地域・地域区分で、予定している営業種別が認められるのか?」
まで確認することが必要です。
■ 名古屋では「住所」だけで判断しない
名古屋市内で物件を探す場合、物件情報には「名古屋市中区」「名古屋市千種区」などの住所が掲載されています。
しかし、同じ区内であっても、場所によって用途地域や規制の状況が異なる場合があります。
そのため、
「中区だから大丈夫」
「栄だから大丈夫」
「名駅周辺だから大丈夫」
というように、区名やエリア名だけで判断することはできません。
実際の物件所在地を特定し、その土地について個別に確認することが重要です。
特に風俗営業許可では、町名だけでなく、番地まで確認することをおすすめします。
■ テナント契約前に確認したい5つのポイント
名古屋で風俗営業を行うための物件を探している場合は、少なくとも次の項目を確認しましょう。
| 確認項目 | 確認する内容 |
| ① 用途地域 | 物件がどの用途地域にあるか |
| ② 営業可能地域 | 風営法・愛知県条例上、営業可能か |
| ③ 保全対象施設 | 学校・保育所・病院等が近くにないか |
| ④ 距離制限 | 対象施設との距離が基準を満たすか |
| ⑤ 営業種別 | 予定している営業がその場所で可能か |
これらを確認したうえで、さらに店舗の構造・設備についても確認していきます。
■ 「飲食店営業許可が取れる」だけでは不十分
風俗営業許可を検討している方が特に注意したいのが、飲食店営業許可との違いです。
例えば、飲食店として営業できる物件であっても、その物件で風俗営業ができるとは限りません。
イメージすると次のようになります。
飲食店営業が可能
↓
「飲食店として営業できる」
しかし、
風俗営業の地域規制を確認
↓
「風俗営業としても営業できる?」
さらに、
保全対象施設との距離を確認
↓
「距離制限にも問題ない?」
さらに、
構造・設備要件を確認
↓
「店舗の内装も基準を満たせる?」
という確認が必要になります。
したがって、風俗営業を予定している場合には、不動産会社から「飲食店可」と言われただけで契約を決めないことが大切です。
■ 不動産会社に確認するときの注意点
不動産会社に物件を紹介してもらう際には、
「この物件は風俗営業許可を取得できますか?」
と確認することも重要です。
ただし、不動産会社が「以前もスナックだったので大丈夫です」と回答したとしても、それだけで許可取得を確定させることはできません。
風俗営業許可については、
営業する地域
+営業種別
+保全対象施設
+距離
+店舗構造
などを総合的に確認する必要があります。
そのため、不動産会社から得た情報は参考資料として利用し、最終的には風俗営業許可の要件に照らして確認することが重要です。
■ 「居抜き物件」ほど慎重に確認する
居抜き物件の場合も注意が必要です。
「前の店舗がキャバクラだった」
「以前スナックとして営業していた」
「風俗営業許可を取得していた店舗だった」
という場合でも、現在の営業者が当然にその許可を引き継げるわけではありません。
また、営業内容や店舗の構造を変更する場合には、改めて基準を確認する必要があります。
したがって、居抜き物件を契約する場合でも、
「前の店が営業していた」
=
「現在も問題なく許可が取れる」
とは考えないようにしましょう。
■ 契約書にも注意!「風俗営業が可能」であることを確認する
物件が風俗営業に適しているかを調べるだけでなく、賃貸借契約上、風俗営業が認められているかも確認する必要があります。
例えば、契約書や使用目的に、
「飲食店」
「店舗」
などとしか記載されていない場合、風俗営業を行うことについて貸主の承諾が得られているかを確認しておくことが重要です。
風俗営業許可を取得するためには、営業所を使用する権原があることを示す書類も必要になります。(愛知県では使用承諾書の提出が必要です。)
そのため、
「許可が取れる物件か」
だけでなく、
「貸主から予定している営業について承諾を得られるか」
という点も、契約前に確認しておきましょう。
■ 物件契約前の調査はこの順番がおすすめ
名古屋で風俗営業許可を取得する場合、次の順番で確認すると効率的です。
【風俗営業物件のチェック手順】
STEP1|営業形態を決める
↓
キャバクラ・スナック・ラウンジ・ホストクラブなど、具体的な営業内容を決めます。
STEP2|候補物件を探す
↓
住所・番地・建物情報を確認します。
STEP3|用途地域を確認する
↓
都市計画上の用途地域を確認します。
STEP4|愛知県条例上の営業可能地域を確認する
↓
予定している営業種別がその場所で可能か確認します。
STEP5|保全対象施設を調査する
↓
学校、保育所、病院等との距離を確認します。
STEP6|店舗の構造・設備を確認する
↓
客室、仕切り、照明、見通しなどを確認します。
STEP7|貸主・契約条件を確認する
↓
風俗営業を行うことについて問題がないか確認します。
STEP8|問題がなければ契約・内装工事へ進む
この順番で進めることで、「契約してから許可が取れないことが分かった」というリスクを大幅に減らすことができます。
■ 名古屋・愛知で物件を契約する前に専門家へ相談するメリット
風俗営業許可の物件調査は、単純に用途地域を調べるだけでは終わりません。
用途地域、営業可能地域、保全対象施設、距離制限、営業種別、店舗構造などを総合的に確認する必要があります。
特に、これから初めて店舗を開業する方にとっては、どこまで調査すればよいのか分かりにくい部分です。
そのため、風俗営業許可を取得する予定がある場合には、テナント契約前の段階で行政書士などの専門家へ相談することをおすすめします。
■ 「契約前の調査」が風俗営業許可取得の第一歩
名古屋で風俗営業を始める場合、物件選びは単なる「立地選び」ではありません。
その物件で法律上、予定している営業ができるのかを確認する作業でもあります。
特に重要なのは、
「飲食店として使えるか?」ではなく、
「予定している風俗営業の許可を取得できるか?」
という視点です。
物件を契約してから問題が発覚すると、賃料、保証金、内装工事費などが無駄になってしまう可能性があります。
そのため、名古屋でキャバクラ、スナック、ラウンジ、ホストクラブなどの開業を予定している場合は、
①営業形態の確認
②用途地域の確認
③営業可能地域の確認
④保全対象施設・距離の確認
⑤構造・設備の確認
⑥契約条件の確認
を行ったうえで、問題のない物件を選ぶことが重要です。
「良い物件を見つけたらすぐ契約する」のではなく、「風俗営業許可を取得できることを確認してから契約する」――これが、名古屋・愛知での店舗開業を成功させるための重要なポイントです。
名古屋・愛知で風俗営業許可をご検討の方へ
「この物件で風俗営業許可は取れる?」
「スナックやラウンジを開業したいけれど、どの許可が必要?」
「警察への申請や店舗図面の作成が難しい」
このようなお悩みは、店舗を契約する前にご相談ください。
風俗営業許可は、物件を契約した後では対応が難しくなるケースがあります。
名古屋市・愛知県での風俗営業許可について、営業形態・物件・店舗設備・必要書類などを確認し、許可取得までの手続きをサポートします。
まずはお気軽にご相談ください。
052-717-3710 神崎行政書士事務所
愛知県の各地域(名古屋市、一宮市、春日井市、小牧市、豊田市、刈谷市、安城市、岡崎市、豊橋市など)の風俗営業許可に対応しています。 名古屋・愛知の風俗営業許可申請は神崎行政書士事務所におまかせ下さい。