7. 深夜営業をする場合に注意したいポイン④
ガールズバー、バー、スナックは、一般的には似たような飲食店として考えられがちですが、実際の接客方法や営業時間によって、必要となる許可・届出が変わる可能性があります。特に「カウンター越しなら風俗営業にはならない」「ガールズバーなら深夜酒類提供飲食店営業の届出だけでよい」と自己判断するのは注意が必要です。名古屋で開業する場合は、店舗の名称ではなく、実際にどのようなサービスを提供するのかを基準に確認しましょう。
7-4. ガールズバー・バー・スナックで注意すべきポイント
ガールズバー、バー、スナックなどを開業するときに、特に注意したいのが「店舗の名前」と「実際の営業内容」は別に考える必要があるという点です。
例えば、「ガールズバー」という名称で営業していても、実際の接客方法が風営適正化法上の「接待」に該当する場合には、風俗営業許可が必要になる可能性があります。愛知県では「ガールズバー」の名称だとほぼ風俗営業許可が必要です。
一方、接待を行わず、深夜に酒類を提供する営業であれば、一定の要件のもとで「深夜における酒類提供飲食店営業」の届出が問題となります。愛知県警察も、風俗営業を許可制、深夜における酒類提供飲食店営業を届出制として、それぞれ別の手続きを案内しています。
ガールズバーは「カウンター越しなら大丈夫」とは限らない
ガールズバーの開業相談でよくあるのが、
「カウンター越しの接客だから風俗営業には該当しないですよね?」
という考え方です。
しかし、重要なのはカウンターがあるかどうかだけではありません。
実際に従業員がどのような方法で客を接待するのか、客との会話や接触、飲食物の提供などをどのように行うのかを含めて、営業実態から判断する必要があります。
したがって、
「ガールズバー=深夜酒類提供飲食店」
と最初から決めつけるのではなく、予定している接客方法を具体的に整理することが大切です。
バーの場合は「深夜にお酒を提供するか」を確認
一般的なバーで、従業員が客に対する接待を行わず、深夜0時以降も酒類を提供する場合には、深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要となります。
愛知県では、深夜酒類提供飲食店営業を開始する場合、営業開始日の10日前までに営業所を管轄する警察署へ届出を行う必要があります。営業の方法を記載した書面や営業所の平面図、住民票の写しなども必要です。
また、深夜酒類提供飲食店営業は、どこでもできるわけではありません。
愛知県では、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、田園住居地域などの第一種地域では深夜の酒類提供飲食店営業ができません。
そのため、バーを開業する場合も、物件契約前に用途地域を確認しておくことが重要です。
スナックは「接待をするか」が重要
スナックの場合は、さらに注意が必要です。
スナックでは、従業員が客の席について継続的に談笑したり、お酌をしたりするなどの接客を行うケースがあります。
このような営業が風営適正化法上の「接待」に該当する場合、風俗営業許可が必要となります。
3つの業態を比較すると
ガールズバー、バー、スナックを開業する際には、次のような点を確認すると分かりやすくなります。
| 業態 | 主な確認ポイント | 注意点 |
| ガールズバー | 接客方法・接待の有無・深夜営業 | 「カウンター越し」だけで判断しない |
| バー | 酒類提供・深夜営業・接待の有無 | 深夜営業なら地域制限にも注意 |
| スナック | 接待の有無・営業時間 | 接待を行う場合は風俗営業許可が問題となる |
| 共通 | 物件・用途地域・営業方法 | 契約前に営業可能か確認する |
このように、業態名だけでは必要な手続きを確定できないことがポイントです。
「接待」「深夜営業」「遊興」を分けて考える
特に判断が難しいのが、次の3つです。
① 接待
従業員が客に対してどのような接客を行うのかを確認します。接待に該当する営業であれば、風俗営業許可が必要となる可能性があります。
② 深夜営業
深夜0時以降も営業して酒類を提供する場合には、深夜酒類提供飲食店営業の届出が問題になります。ただし、第一種地域では深夜の酒類提供飲食店営業ができません。
③ 遊興
深夜に客を遊興させながら酒類を提供する営業については、深夜酒類提供飲食店営業とは別に、特定遊興飲食店営業の許可が関係する場合があります。愛知県警察でも、特定遊興飲食店営業を独立した許可制度として案内しています。
この3つを混同せず、実際に店舗で何をするのかを具体的に整理することが重要です。
名古屋で開業する場合は物件契約前に確認
ガールズバー、バー、スナックなどを名古屋で開業する場合、最も避けたいのが、物件を契約してから「希望する営業ができない」と判明するケースです。
例えば、
- 深夜0時以降も営業したい
- お酒を中心に提供したい
- スタッフが接客する
- 客の席について会話する予定がある
- カラオケを設置する
- イベントや音楽などで客を楽しませたい
といった具体的な営業方法によって、必要な手続きが変わる可能性があります。
そのため、物件を探す段階から、
営業形態
↓
接待・遊興の有無
↓
希望営業時間
↓
用途地域・営業可能地域
↓
必要な許可・届出
↓
物件契約
という順番で確認していくことが重要です。
POINT
ガールズバー・バー・スナックは、「店名」ではなく「実際の営業方法」から必要な手続きを判断することが基本です。
特に「カウンター越しだから大丈夫」「バーだから届出だけでいい」と自己判断せず、接待・深夜営業・遊興の有無を具体的に整理することが重要です。
また、深夜酒類提供飲食店営業を行う場合は、第一種地域では営業できないため、名古屋で物件を契約する前に用途地域を確認しておきましょう。
開業前に確認したいチェックリスト
最後に、ガールズバー・バー・スナックを開業する場合は、次の項目を確認しておきましょう。
- □ 店舗で提供するサービスを具体的に整理した
- □ 接待に該当する可能性がある接客を確認した
- □ 深夜0時以降も営業するか決めた
- □ 深夜に酒類を提供するか確認した
- □ 客に遊興をさせる営業に該当しないか確認した
- □ 用途地域・営業可能地域を確認した
- □ 必要な許可・届出を確認した
- □ 物件契約前に営業可能性を確認した
- □ 内装工事前に必要な構造・設備基準を確認した
「どんな名前の店にするか」よりも、「実際にどんな営業をするのか」を先に決めることが、許可・届出の判断では重要です。
特に名古屋で新しく店舗を開業する場合は、物件探しの段階から営業形態を具体化し、必要な許可・届出を確認しておくことで、契約後の計画変更を避けやすくなります。
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