7. 深夜営業をする場合に注意したいポイン②
深夜0時以降もバーやスナックなどでお酒を提供する場合、「深夜における酒類提供飲食店営業」の営業開始届出が必要になるケースがあります。ただし、すべての深夜営業店が対象になるわけではありません。接待を行うか、客に遊興をさせるか、主食を中心とした飲食店なのかなどによって、必要な許可・届出が変わります。名古屋で深夜営業を予定している場合は、開業前に営業形態を正確に整理しておきましょう。
7-2. 深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要なケース
「深夜酒類提供飲食店営業」とは、深夜0時以降に客に酒類を提供する飲食店営業をいいます。ただし、主に通常主食と認められる食事を提供する営業は、この制度の対象から除かれます。愛知県警察では、深夜酒類提供飲食店営業を「届出制」の営業として案内しています。
例えば、深夜まで営業するバーや、接待を行わずに酒類を提供する居酒屋などが、この制度の検討対象となります。
どのような場合に届出が必要?
判断のポイントは、「深夜0時以降」「酒類の提供」「飲食店営業」の3つです。
| ケース | 深夜酒類提供飲食店営業の考え方 |
| 深夜0時以降も営業し、酒類を提供するバー | 届出が必要になる可能性が高い |
| 深夜0時以降も営業する居酒屋 | 営業内容によって判断 |
| 深夜営業するスナック | 接待の有無などを含めて判断 |
| 深夜営業する飲食店で、主に通常主食を提供 | 対象外となる場合がある |
| 客に接待を行う営業 | 深夜酒類提供飲食店営業ではなく、風俗営業の許可が問題となる |
| 深夜に客に遊興をさせ、酒類を提供する営業 | 特定遊興飲食店営業に該当する可能性がある |
このように、単純に「お酒を出す店だから届出が必要」と考えるのではなく、実際にどのようなサービスを提供する店舗なのかを確認する必要があります。
「接待」をする場合は注意が必要
特にスナックやラウンジなどでは、接待の有無が重要なポイントになります。
例えば、従業員が客のそばについて継続的に談笑したり、お酌をしたりするなど、風営適正化法上の「接待」に該当する営業を行う場合、単純に深夜酒類提供飲食店営業の届出をすればよいわけではありません。
風俗営業に該当する場合には、風俗営業許可が必要となり、さらに風俗営業には営業時間の規制があります。
そのため、
「深夜0時以降も営業したいので、深夜酒類提供飲食店営業の届出を出せばいい」
と自己判断するのは危険です。
接待をするのか、しないのかを最初に整理し、その営業形態に合った許可・届出を確認することが重要です。
「深夜酒類提供飲食店営業」と「特定遊興飲食店営業」の違い
もう一つ注意したいのが、客に遊興をさせる営業です。
愛知県警察では、特定遊興飲食店営業について、深夜にナイトクラブなどの設備を設け、客に遊興をさせ、かつ酒類を提供して飲食させる営業として案内しています。
そのため、深夜に酒類を提供する店舗であっても、
- 単にお酒を提供するだけなのか
- 接待を行うのか
- 客に遊興をさせるのか
によって、必要な手続きが変わる可能性があります。
「バーだから深夜酒類提供」「クラブだから特定遊興」と店名だけで判断するのではなく、実際の営業方法から判断することが大切です。
届出は営業開始の10日前まで
深夜酒類提供飲食店営業に該当する場合、愛知県では、営業を開始しようとする日の10日前までに営業開始届出書を提出する必要があります。
届出先は、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課です。
主な必要書類として、愛知県警察では次のものを案内しています。
- 深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書
- 営業の方法を記載した書面
- 営業所の平面図(求積図、配置図なども含む)
- 住民票の写し
- 法人の場合は定款・登記事項証明書など
店舗の平面図なども必要になるため、単に届出書を書いて提出するだけではありません。営業所の構造や営業方法を事前に整理しておく必要があります。
深夜酒類提供飲食店営業は「場所」の確認も重要
深夜営業の場合、営業時間だけでなく物件の所在地にも注意が必要です。
愛知県では、第一種地域において深夜の酒類提供飲食店営業を行うことができません。対象となる地域には、第一種・第二種低層住居専用地域、第一種・第二種中高層住居専用地域、第一種・第二種住居地域、田園住居地域などが含まれます。
そのため、名古屋で深夜営業を予定している場合は、物件を契約する前に用途地域を確認することが重要です。
「駅から近い」「繁華街にある」という理由だけで、深夜酒類提供飲食店営業ができるとは限りません。
届出前に確認したいチェックリスト
深夜酒類提供飲食店営業を検討している場合は、次の項目を確認しておきましょう。
- □ 深夜0時以降も営業する予定がある
- □ 深夜に酒類を提供する
- □ 接待を行わない営業であるか確認した
- □ 客に遊興をさせる営業ではないか確認した
- □ 主食を中心とした飲食店に該当するか確認した
- □ 営業予定地が深夜酒類提供飲食店営業の禁止地域ではない
- □ 店舗の平面図を準備した
- □ 営業の方法を整理した
- □ 営業開始日の10日前までに届出できるスケジュールを組んだ
- □ 営業所を管轄する警察署を確認した
POINT
深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要かどうかは、「深夜にお酒を出すか」だけでなく、接待・遊興・食事の提供方法などを含めて判断することが重要です。
特にスナック、ラウンジ、バーなどは、営業方法によって「風俗営業」「深夜酒類提供飲食店営業」「特定遊興飲食店営業」のいずれに該当するのかが変わる可能性があります。
名古屋で開業する場合は、物件契約や内装工事を始める前に、予定している営業形態と深夜営業の可否を確認しておくことをおすすめします。
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