6. 名古屋・愛知で風俗営業許可を取得する申請の流れ⑥
風俗営業許可の申請書類を警察署へ提出した後は、警察による審査が行われます。特に重要なのが、申請書や図面に記載された内容と、実際の店舗の状態が一致しているかを確認する実地調査です。営業所の位置や構造・設備、客室、照明、見通しなどが許可基準に適合しているかを確認するため、申請前から店舗を申請内容どおりに完成させておく必要があります。愛知県警察では、風俗営業許可について、実地調査が可能な状態で申請された場合の処理期間の目安を55日としています。
6-6. 警察による審査・実地調査
申請後は書類と店舗の両方が審査される
風俗営業許可の審査では、提出した書類だけを確認するわけではありません。
愛知県の審査基準では、風俗営業の許可について、風営適正化法に定められた許可の基準、営業制限地域、人的要件、構造・設備の技術上の基準などが審査の根拠として示されています。
そのため、申請後は、
- 申請者・法人・管理者に関する要件
- 営業所の場所に関する要件
- 保全対象施設との関係
- 店舗の構造・設備
- 申請書と図面の内容
- 実際の店舗の状態
などを総合的に確認することになります。
特に店舗については、「図面上では基準を満たしている」だけでは不十分です。
完成した店舗そのものが申請内容と一致していることが重要です。
実地調査では店舗の状態を確認する
実地調査では、実際の営業所に立ち入り、申請内容との整合性を確認します。
具体的には、申請した営業所について、
| 確認項目 | 主な確認内容 |
| 営業所の位置 | 申請した場所と実際の店舗が一致しているか |
| 店舗の面積 | 図面上の面積と実際の状態に相違がないか |
| 客室 | 客室の位置・区画・面積など |
| 見通し | 客室内の見通しを妨げる構造になっていないか |
| 出入口 | 図面と実際の配置が一致しているか |
| 照明設備 | 申請内容と実際の設備が一致しているか |
| 音響設備 | スピーカー等の設置状況 |
| 防音設備 | 店舗の防音設備等 |
| その他設備 | 申請図面に記載された設備との整合性 |
などを確認します。
愛知県警察の申請様式でも、営業所の床面積、客室、照明設備、音響設備、防音設備などを記載することになっています。
「図面と実際の店舗が違う」は注意
実地調査で問題になりやすいのが、申請時に提出した図面と実際の店舗に違いがあるケースです。
例えば、
「申請した後に内装を変更した」
「工事中に仕切りを追加した」
「カウンターの位置を変更した」
「照明器具を追加した」
「客室の区画を変更した」
といった場合です。
内装工事は実地調査を意識して完成させる
実地調査では、店舗が実際にどのような状態になっているかが確認されます。
そのため、
「とりあえず申請して、調査までに内装を完成させればよい」
という考え方は避けた方がよいでしょう。
愛知県警察が示す55日の処理期間の目安も、申請時点で営業所が存在し、実地調査が可能であることが条件です。
つまり、申請時点で店舗がまだ工事中で、実地調査ができない状態では、この55日という目安をそのまま当てはめることはできません。
したがって、申請する段階では、
- 内装工事が適切に完了している
- 客室が完成している
- 照明設備が設置されている
- 音響設備等が設置されている
- 図面と実際の店舗が一致している
といった状態を目指すことが重要です。
実地調査の前に自分でも確認しておく
警察による実地調査を待つだけではなく、事業者側でも事前に店舗をチェックしておきましょう。
おすすめなのが、申請図面を持って実際の店舗を一つずつ確認する方法です。
例えば、
①営業所の入口を確認
↓
②客室の位置・面積を確認
↓
③仕切り・壁・ついたてを確認
↓
④照明設備を確認
↓
⑤音響設備を確認
↓
⑥カウンター・その他設備を確認
↓
⑦図面と実際の状態を照合
というように確認します。
この作業を行うことで、申請後に「図面と店舗が違っていた」という事態を防ぎやすくなります。
実地調査だけでなく人的要件なども審査される
風俗営業許可では、店舗だけを確認すれば終わりというわけではありません。
愛知県警察の審査基準では、例えば人的要件について、欠格事由に該当するか、管理者が適切に選任されているかなども審査対象として示されています。
したがって、
「店舗の調査が終わったから必ず許可される」
とは限りません。
申請者、法人役員、管理者などに関する要件についても、提出書類などをもとに審査が行われます。
審査中に追加確認や補正が必要になることもある
申請内容に不備や確認が必要な事項がある場合には、追加資料の提出や書類の補正などを求められることがあります。
そのため、申請後に警察から連絡があった場合には、できるだけ早く内容を確認し、必要な対応を行うことが大切です。
申請書類に不備がある場合、その補正に時間がかかれば、予定していた開業スケジュールにも影響する可能性があります。
特に、
- 申請書の記載漏れ
- 添付書類の不足
- 図面の不一致
- 店舗設備の変更
- 営業内容についての確認事項
などがないか、申請前に十分確認しておきましょう。
55日は「許可が出るまでの保証期間」ではない
ここは開業予定日を考えるうえで非常に重要です。
愛知県警察は、風俗営業許可について、個別具体的な事情によって処理期間が変動するため正式な標準処理期間を定めることはできないとしつつ、55日を目安となる期間として示しています。さらに、この目安は、申請時点で営業所が存在して実地調査が可能である場合などの条件付きです。
そのため、
「申請して55日経てば必ず許可が出る」
という意味ではありません。
開業日を決める際には、55日だけを基準にするのではなく、申請前の準備期間や、補正・追加対応などの可能性も考慮して、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。
実地調査前のチェックリスト
実地調査に備えて、次の項目を確認しておきましょう。
| チェック | 確認項目 |
| □ | 店舗が完成している |
| □ | 申請図面と実際の店舗が一致している |
| □ | 客室の位置・面積が一致している |
| □ | 仕切り・壁・ついたて等に変更がない |
| □ | 出入口の位置が図面と一致している |
| □ | 照明設備が申請内容と一致している |
| □ | 音響設備が申請内容と一致している |
| □ | 防音設備等に変更がない |
| □ | その他の設備が図面と一致している |
| □ | 申請後に無断で内装変更をしていない |
| □ | 追加資料等の求めに対応できる状態になっている |
POINT|「申請書類」と「完成した店舗」を一致させる
風俗営業許可の実地調査で重要なのは、申請書類に書いた内容と、実際に完成した店舗の状態を一致させることです。
特に内装工事を行う場合は、デザインや使い勝手だけを優先して変更してしまうと、申請内容との違いが生じる可能性があります。
そのため、
「許可申請用の図面を作成する」
↓
「図面に基づいて内装・設備を完成させる」
↓
「申請前に現場と図面を照合する」
↓
「申請する」
↓
「実地調査を受ける」
という流れで進めることが重要です。
実地調査は、風俗営業許可を取得するための重要な段階です。申請後に慌てて対応するのではなく、物件調査や内装設計の段階から実地調査を意識して準備することが、スムーズな許可取得につながります。
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