4. 風俗営業許可申請に必要な書類①

風俗営業許可を取得するためには、申請書だけを提出すればよいわけではありません。営業の方法や店舗の平面図、営業所を使用する権利を証明する書類、申請者の住民票や誓約書など、複数の書類を準備する必要があります。さらに、法人が申請する場合には、定款や登記事項証明書、役員に関する書類なども必要です。ここでは、名古屋で風俗営業許可を申請する際に、まず押さえておきたい基本的な申請書類を分かりやすく解説します。

4-1. 基本的な申請書類

風俗営業許可は「申請書1枚」では取得できない

風俗営業許可の申請では、所定の「許可申請書」*に加えて、営業内容や店舗、申請者などを確認するためのさまざまな添付書類を提出します。

愛知県警察では、風俗営業の許可申請について、申請書のほかに、

  • 営業の方法を記載した書類
  • 営業所を使用する権利を証明する書類(賃貸借契約書、使用承諾書など)
  • 営業所の平面図・周囲の略図(求積図、照明設備配置図、音響設備配置図など)
  • 住民票
  • 欠格事由に該当しないことの誓約書
  • 身分証明書
  • 法人の場合の追加書類(登記事項証明書、定款、株主名簿など)

などを基本的な添付書類として案内しています。

つまり、風俗営業許可の申請では、「誰が」「どこで」「どのような営業をするのか」を書類によって具体的に説明することになります。


基本的な申請書類一覧

まず、個人で風俗営業許可を申請する場合に基本となる書類を整理すると、次のようになります。

書類主な内容・目的
許可申請書風俗営業許可を正式に申請するための書類
営業の方法を記載した書類営業時間、営業内容などを記載
営業所の使用権原を証明する書類店舗を使用する権利があることを証明
営業所の平面図(求積図など)店舗の構造・設備等を確認するための図面
営業所周囲の略図店舗周辺の状況を確認するための図面
住民票の写し申請者の住所・本籍または国籍等を確認
欠格事由に関する誓約書欠格事由に該当しないことを誓約
身分証明書(身元証明書)一定の欠格事由に該当しないことを確認するための書類

愛知県警察では、これらを風俗営業許可申請の基本的な添付書類として示しています。なお、実際に必要となる書類は、営業形態や申請者の状況によって異なる場合があります。


許可申請書

まず必要となるのが、風俗営業許可申請書です。

これは、公安委員会に対して風俗営業の許可を正式に申請するための書類です。

愛知県警察では、風俗営業の申請書について、営業の種類に応じた様式を用意しています。

また、風俗営業の許可申請は、営業所ごとに行う必要があります。

そのため、複数の店舗を経営する場合には、「会社として一度許可を取れば、すべての店舗で営業できる」というものではありません。

POINT|風俗営業許可は営業所単位で考える

同じ会社が複数の店舗を運営する場合でも、店舗ごとに許可申請が必要になる点に注意しましょう。


営業の方法を記載した書類

次に必要となるのが、営業の方法を記載した書類です。

ここでは、どのような営業を行うのかを具体的に記載します。

例えば、

  • 営業の種類
  • 営業時間
  • 料金の設定
  • 接客方法
  • 飲食物の提供
  • その他の営業方法

など、予定している営業内容を整理することになります。

この書類は単なる形式的な書類ではありません。

実際の営業内容と申請内容が一致していることが重要です。

申請時には適切な内容であっても、実際の営業が申請した内容と異なれば、別途問題となる可能性があります。

*愛知県ではメニュー表(税込み表記)を提出しますので、営業の方法を記載した書類との整合性が必要です。


営業所を使用する権利を証明する書類

店舗について、「この場所を営業所として使用する権利がある」ということを証明する書類も必要です。

例えば、賃貸物件であれば、

  • 賃貸借契約書の写し
  • 使用承諾書

などが該当します。

自己所有の建物であれば、所有権を確認するための登記事項証明書などが必要となる場合があります。

愛知県警察も、営業所について所有権または賃貸権などの使用権原を証明する書類を求めています。

ここで重要なのが「契約内容」です

風俗営業許可では、単に「店舗を借りている」というだけではなく、その場所で営業する権利があるかを確認することが重要です。

そのため、物件を契約する段階から、

「この物件で風俗営業を行うことについて問題がないか」

を確認しておくことが大切です。

前章で解説したように、許可要件を確認する前に物件を契約してしまうと、後から問題が発覚する可能性があります。


営業所の平面図・周囲の略図

風俗営業許可申請では、店舗の平面図と営業所周囲の略図も重要な書類です。

平面図では、店舗の構造や設備などを確認できるようにします。

例えば、

  • 客室
  • 客室の出入口
  • 壁・仕切り
  • カウンター
  • 照明設備
  • その他の設備

など、営業所の状態を図面によって確認します。

また、営業所周囲の略図では、店舗周辺の状況を確認できるようにします。

特に風俗営業許可では、学校・保育所・病院などの保全対象施設との位置関係が重要になるため、単なる店舗案内図とは意味が異なります。

*実際には平面図の他に求積図、照明設備配置図、音響設備配置図等が必要です。


住民票の写し

個人で申請する場合には、本籍または国籍が記載された住民票の写しが必要です。

愛知県警察では、風俗営業許可申請の添付書類として、本籍または国籍が記載された住民票の写しを案内しています。

住民票を取得するときには、必要な記載事項を確認してから取得することが大切です。

「住民票なら何でもよい」と考えてしまうと、必要な情報が記載されておらず、取り直しになることがあります。

*マイナンバーは記載なしの住民票が必要です。


欠格事由に該当しない旨の誓約書

風俗営業許可では、申請者が法律上の欠格事由に該当していないことも確認されます。

そのため、申請者本人について、欠格事由に該当しない旨の誓約書を提出します。

この書類は、

「自分は風俗営業の許可を受けることができない者には該当していません」

ということを申請者自身が確認・誓約するためのものです。

なお、欠格事由については「前科があればすべて許可されない」という単純なものではありません。

犯罪の内容や刑罰、経過した期間など、法律上の要件に照らして判断する必要があります。


市区町村長が発行する身分証明書

もう一つ、準備に注意したいのが身分証明書です。

ここでいう「身分証明書」は、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類とは異なります。

風俗営業許可申請で求められる身分証明書は、本籍地の市区町村長が発行する証明書です。

そのため、住民票とは別に取得する必要があります。

注意|「住民票」と「身分証明書」は別の書類です

どちらも申請時に必要になる場合があるため、取得先や必要な記載内容を間違えないようにしましょう。

名古屋市では身分証明書の名称は身元証明書です。


法人の場合は追加書類が必要

法人名義で風俗営業許可を申請する場合は、個人の場合よりも必要書類が増えます。

愛知県警察では、法人について、

  • 定款
  • 登記事項証明書
  • 法人に係る欠格事由に該当しない旨の誓約書
  • 密接な関連を有する法人に関する書面
  • 株式会社の場合の株主名簿の写し
  • 役員に関する住民票・身分証明書等

を追加書類として案内しています。

つまり、法人の場合は、

「会社の書類」+「役員個人に関する書類」

の両方を準備する必要があります。

個人と法人の違い

項目個人申請法人申請
許可申請書
営業の方法
使用権原の書類
平面図・周囲の略図
住民票役員について必要
欠格事由の誓約書法人・役員について必要
身分証明書役員について必要
定款
登記事項証明書
株主名簿株式会社の場合など

※実際の必要書類は申請者の状況や営業の種類によって異なるため、申請前に管轄警察署で確認することが重要です。


書類は「古くても使える」とは限らない

申請書類を準備するときに注意したいのが、書類の発行日・作成日です。

愛知県警察では、風俗営業許可申請の添付書類について、原則として申請日から3か月以内に発行・作成されたものを用意するよう案内しています。

そのため、あまり早い段階ですべての証明書を取得してしまうと、申請時には有効な期間を過ぎている可能性があります。

POINT|書類はまとめて「早く取ればよい」とは限りません

物件調査や図面作成など、時間のかかる準備を進めながら、証明書類は申請時期を考えて取得することが重要です。


申請書類は「数をそろえる」だけでは不十分

風俗営業許可の申請では、書類を集めれば終わりというわけではありません。

重要なのは、それぞれの書類の内容が実際の営業内容や店舗の状況と一致していることです。

例えば、

  • 申請書と営業の方法が一致しているか
  • 平面図と実際の店舗が一致しているか
  • 賃貸借契約書の内容と営業形態に問題がないか
  • 住民票などの証明書類が適切か
  • 法人の役員情報に漏れがないか
  • 飲食店営業許可証と店舗の名称が一字一句一致しているか

などを確認する必要があります。

特に風俗営業許可では、店舗の実測や図面作成が重要なポイントとなります。


まとめ|基本書類を早めに整理しておくことが重要

名古屋で風俗営業許可を取得する場合、基本的な申請書類として、許可申請書、営業の方法、営業所の使用権原を証明する書類、平面図・周囲の略図、住民票、誓約書、身分証明書などを準備する必要があります。

法人の場合には、さらに定款や登記事項証明書、役員に関する書類などが必要になります。

また、書類の種類だけでなく、発行時期や記載内容、店舗の実態との整合性も重要です。

風俗営業許可の申請では、書類の不備があると補正や追加資料の提出が必要になることもあります。

そのため、物件が決まった段階で必要書類を一覧にして、「いつ・誰が・どの書類を取得するのか」まで整理しておくことをおすすめします。

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